BN-80シリーズはハイアマチュアと公共天文台向けに最適なハイエンド冷却CCDカメラシステムです。
高感度なCCDを3段ペルチェの冷却により、ノイズを抑え高いS/N比を実現しました。
新天体の発見や天文研究用途で多くの信頼と実績を培ったBN-50/60及びBT-200シリーズの後継機種です。
BITRANの冷却CCDカメラは天体分野のみならず、微弱な発光の検出器として多方面の研究機関や製造検査で活躍しています。

高温多湿な日本の風土にあった設計
通年空冷で使用しますが、夏期における高温多湿の気象条件では、冷却CCDカメラの冷却機能が低下し本来の能力が発揮できない場合があります。そんなときには、標準装備されている水冷機構を利用して強力に水冷冷却できます。

曇り止めヒーター標準装備
強力な冷却をすることによりガラス面が曇る場合があります。BN-80シリーズにはガラスの曇り止めヒーターが内蔵されており自動制御します。また、手動制御もできますのでニーズに合わせて利用できます。

電動フィルタ(オプション)
連写や自動連続撮影時に電動フィルタ制御と連動できます。更に、自動導入オプションと合わせると全自動撮影システムも構築可能です。

機能

1 イメージ調整パレットやキーボードによる操作の充実
撮影後は自動的に調整された画像が表示されますが、レベルやコントラスト、カラーバランスがマウスやキーボードにより簡単に手動調整もできます。光害状況の選択や星野、星雲パターンボタン、そして微調整のターゲットにしたい場所を画面上で指定します。後はバーを上下したり矢印キーなどで調整するとそのターゲット領域がプレビュー表示になり確定させると全体に反映されます。

2 ダークフレーム、フラットフィールドなどは自動処理
ダークフレームやフラットフィールド及びフラットフィールド用ダークフレームなどのは当然できますが、それらを撮影するとその処理は自動的に行います。また、オリジナル形式で保存するとその時の変換情報や処理されているダークフレームやフラットフィールドなどの情報も保存され、画像ファイルを開いただけで画像が再現されます。
特に良く使うダークフレームは予め撮影しておき、露出時間や温度に見合ったものを自動的に再利用する機能は便利です。 また、ライトフレームからフラットフィールドを作り出す機能もあります。

3 月面・惑星に最適な連写モード
月面・惑星などシーイングの影響を受けやすい天体では、高速に連続複数の画像を撮影する連写モードを使うことで、シーイングの安定したときの画像を選択できます。

4 ダークフレームやフラットフィールドの加算平均
連写機能の時にダークフレームのみやフラットフィールドのみを指定すると指定枚数撮影後にそれらを加算平均した1枚の画像に自動的に仕上げます。

5 StellaImageのカラーFITSにも対応
ファイルの保存時にFITS指定もできます。カラー画像の場合はRGB分解した3枚のモノクロFITSに展開することも、アストロアーツ社のStellaImage2以降で読めるカラーFITSで保存することもできます。(StellaImage3以降では弊社のオリジナル形式が直接読めます。)

6 楽々フォーカスモード
ピント合わせは意外に大変です。フォーカスモードで中央のみ連続撮影させれば秒数コマの周期で画像が換わりますので調整も比較的に楽です。さらに、ピント合わせの対象にしたい領域をマウスでドラッグすれば拡大画像や光量のグラフを表示しますでの調整に役に立ちます。また、過去の最大レベルと今回の最大レベルを数値で表示もしますので、今回が最大値である間は同一方向に調整し、過去の最大値より小さくなったら回し過ぎであることが一目でわかります。

7 自動/連続撮影機能
インターバル(一定間隔)撮影や指定時間になったら撮影する機能です。日時指定ファイルを作り自動撮影も可能です。撮影毎に条件を指定することもできますので、撮影天体により露出時間を変更したり、ダークフレームもいっしょに撮影するなどができます。オプションの自動導入ソフトと組み合わせると導入から撮影まで自動天体観測システムが構築できます。

8 無人システムも可能
コントロールソフトの起動パラメータに冷却コントロールの実行と自動/連続撮影の実行が指定できます。両方指定しておけば、コントロールソフトが起動したと同時に冷却から撮影まで全てを自動で行うことができます。また、コントロールソフト自身の終了指定もありますので、Windowsのスタートアップやタスクマネージャなどにコントロールソフトが起動するように設定しておき、撮影情報のファイルをインターネットなどで送るようにすれば無人システムの構築も可能です。

9 豊富な画像処理機能
重ね合わせ、加算平均、3色合成、3色分解、比較用ブリンク、反転表示、拡大縮小など機能も豊富です。また、ヒストグラムや対数変換、ダークフレームやフラットフィールド値の補正、空のレベルの均一化など便利な機能がたくさんあります。

10 自動導入対応(オプション)
冷却CCDカメラ・コントロールソフトからTemmaシリーズやLX200,Star Book TENをコントロールして天体の自動導入及び撮影ができます。多数の恒星、NGC、ICなどのデータが登録されており、メシエ検索も簡単にできます。また、天体のユーザー登録もできます。 自動/連続撮影でのファイル定義では、自動導入から電動フィルタまで指定できますので、無人で一晩中撮影することもできます。

 

BNシリーズ仕様

型番 BN-81L/C BN-82L/C BN-83E BN-84E BN-85L
CCD素子 KAI-11002 KAI-16070 KAF-1001 KAF-6303 KAF-16803
画素数 1100万画素 1600万画素 100万画素 600万画素 1600万画素
ピクセル数 4008×2672 4864×3232 1024×1024 3072×2048 4096×4096
ピクセルサイズ 9×9μm 7.4×7.4μm 24×24μm 9×9μm 9×9μm
転送時間 約2秒 約2.5秒 約1.5秒 約3秒 約6秒
A/D変換 16bit(65535階調)
通信方式 USB2.0 (パソコンダイレクト)
冷却方式 3段ペルチェ、空冷または水冷
冷却温度 空冷時:外気温-40~-60℃、水冷時:水温-40~-60℃
取り付け 50.8mm接眼部 64mmφ別途
重さ 約2kg 約2.1kg 約2.4kg
電源 12V、5A
画像出力形式 オリジナル形式、FITS、TIFF(非圧縮)
RAW、BMP、JPEG、テキスト、バイナリ
対応OS Windows 10 / 8.1 / 8 / 7 / Windows Vista SP1以降 / Windows XP SP2以降

BNシリーズ寸法図

写真実例

BN-81Lで撮影(4008×2672) タカハシFSQ-106ED(645レデューサー使用)

   
IC1396
露出:L画像LPS-P2使用10分
×3枚+Hα使用20分×2枚、
RGB画像各5分×3枚
総露出115分
NGC7000
露出:L画像10分×6枚
RGB画像各5分×3枚、
総露出105分
   
M45
BN-82Lで撮影(4872×3248)
FSQ-106ED(645レデューサー
QE0.72)
露出:L画像5分×5枚、
RGB画像各1分×3枚 
総露出34分
おとめ座銀河団
BN-85Lで撮影(4096×4096)
FSQ-106ED 冷却-30℃
露出:L画像10分×5枚
総露出50分