機能を絞ることによりコンパクトかつ低価格でありながら強力な2段ペルチェ冷却を実現しました。各種天体写真コンテストで受賞したBJ-40/30シリーズの後継機種です。BJ-50シリーズは単機能にして月、惑星から星野まで撮影できる小型軽量の冷却CCDカメラです。
デジタルカメラからのステップアップなど、これから冷却CCDカメラをお考えの方に最適なBJシリーズです。何より、国産だからサポートも修理も迅速・安心!!
.
小型軽量、低価格
BJ-50シリーズはカメラとインターフェースを一体化してスマートなデザインにしました。小型でありながら2段ペルチェによる強力な冷却ができます。また、水冷機構を標準搭載していますので夏場の冷却も十分に配慮した設計です。重さは550~700gと接眼部に加わる力も最小限に抑えてあります。
高温多湿な日本の風土にあった設計
日本の夏期における高温多湿の気象条件では、冷却CCDカメラの冷却機能が低下し本来の能力が発揮できない場合があります。そんなときには、水冷を使用して強力に冷却できます。夏でも安心して使える水冷機能は、水温10℃のときBJ-51では-25℃,BJ-52では-40℃を実現できます。
エアー機構も標準装備
強力な水冷方式にてガラス面が曇る場合、ガラスにエアーを送る機構も標準で装備されています。
電動フィルタ(オプション)
連写や自動連続撮影時に電動フィルタ制御が可能です。自動導入オプションと合わせると、全自動撮影システムも構築できます。
機能
1 初めての人でも簡単に撮影ができる「自動手順ウィザード」
初めての人、また久しぶりに使用する時に対話形式で簡単に冷却から撮影までの一連操作ができる「自動手順ウィザード」機能を用意。また、メニューやツールバー、ヘルプなどが充実していて視覚的に操作できます。
(ウィザードとはWindowsでおなじみのユーザー支援の一形態であり、作業を自動化する”魔法使い”のことです)
2 イメージ調整パレットやキーボードによる操作の充実
撮影後は自動的に調整された画像が表示されますが、レベルやコントラスト、カラーバランスがマウスやキーボードにより簡単に手動調整もできます。光害状況の選択や星野、星雲パターンボタン、そして微調整のターゲットにしたい場所を画面上で指定します。後はバーを上下したり矢印キーなどで調整するとそのターゲット領域がプレビュー表示になり確定させると全体に反映されます。
3 ダークフレーム、フラットフィールドなどは自動処理
ダークフレームやフラットフィールド及びフラットフィールド用ダークフレームなどのは当然できますが、それらを撮影するとその処理は自動的に行います。また、オリジナル形式で保存するとその時の変換情報や処理されているダークフレームやフラットフィールドなどの情報も保存され、画像ファイルを開いただけで画像が再現されます。
特に良く使うダークフレームは予め撮影しておき、露出時間や温度に見合ったものを自動的に再利用する機能は便利です。 また、ライトフレームからフラットフィールドを作り出す機能もあります。
4 月面・惑星に最適な連写モード
月面・惑星などシーイングの影響を受けやすい天体では、高速に連続複数の画像を撮影する連写モードを使うことで、シーイングの安定したときの画像を選択できます。
5 ダークフレームやフラットフィールドの加算平均
連写機能の時にダークフレームのみやフラットフィールドのみを指定すると指定枚数撮影後にそれらを加算平均した1枚の画像に自動的に仕上げます。
6 StellaImageやFITSにも対応
アストロアーツ社のStellaImageには、カメラ付属ソフトから画像を直接転送可能です。また、カメラのオリジナル形式も読み込めます。
ファイルの保存時にFITS指定もできますので、他の天体用画像処理ソフトへの読み込みもできます。カラー画像の場合はRGB分解した3枚のモノクロFITSに展開することもできます。
7 楽々フォーカスモード
ピント合わせは意外に大変です。フォーカスモードで中央のみ連続撮影させれば秒数コマの周期で画像が換わりますので調整も比較的に楽です。さらに、ピント合わせの対象にしたい領域をマウスでドラッグすれば拡大画像や光量のグラフを表示しますでの調整に役に立ちます。また、過去の最大レベルと今回の最大レベルを数値で表示もしますので、今回が最大値である間は同一方向に調整し、過去の最大値より小さくなったら回し過ぎであることが一目でわかります。
8 自動/連続撮影機能
インターバル(一定間隔)撮影や指定時間になったら撮影する機能です。日時指定ファイルを作り自動撮影も可能です。撮影毎に条件を指定することもできますので、撮影天体により露出時間を変更したり、ダークフレームもいっしょに撮影するなどができます。オプションの自動導入や電動フィルタと組み合わせると導入から撮影まで自動天体観測システムが構築できます。
9 無人システムも可能
コントロールソフトの起動パラメータに冷却コントロールの実行と自動/連続撮影の実行が指定できます。両方指定しておけば、コントロールソフトが起動したと同時に冷却から撮影まで全てを自動で行うことができます。また、コントロールソフト自身の終了指定もありますので、Windowsのスタートアップやタスクマネージャなどにコントロールソフトが起動するように設定しておき、撮影情報のファイルをインターネットなどで送るようにすれば無人システムの構築も可能です。
10 豊富な画像処理機能
重ね合わせ、加算平均、3色合成、3色分解、比較用ブリンク、反転表示、拡大縮小など機能も豊富です。また、ヒストグラムや対数変換、ダークフレームやフラットフィールド値の補正、空のレベルの均一化など便利な機能がたくさんあります。
11 自動導入対応(オプション)
冷却CCDカメラ・コントロールソフトからTemmaシリーズやLX200,Star Book TENをコントロールして天体の自動導入及び撮影ができます。多数の恒星、NGC、ICなどのデータが登録されており、メシエ検索も簡単にできます。また、天体のユーザー登録もできます。 自動/連続撮影でのファイル定義では、自動導入から電動フィルタまで指定できますので、無人で一晩中撮影することもできます。
BJシリーズ仕様
型番 | BJ-51L/C | BJ-52L/C | BJ-53L/C | BJ-54L/C | BJ-55L/C |
CCD素子 | ICX285 | KAI-04022 | ICX694 | KAI-16050 | KAI-29050 |
画素数 | 140万画素 | 400万画素 | 600万画素 | 1600万画素 | 2900万画素 |
ピクセル数 | 1360×1024 | 2048×2048 | 2750×2200 | 4896×3264 | 6576×4384 |
ピクセルサイズ | 6.45×6.45µm | 7.4×7.4µm | 4.54×4.54µm | 5.5×5.5µm | 5.5×5.5µm |
転送時間 | 約0.6秒 | 約1.2秒 | 約1.3秒 | 約2.2秒 | 約3.0秒 |
A/D変換 | 16bit(65535階調) | ||||
通信方式 | USB2.0 (パソコンダイレクト) | ||||
冷却方式 | 2段ペルチェ、空冷または水冷 | ||||
冷却温度 | 空冷時:外気温-25~-40℃、水冷時:水温-30~-40℃ | ||||
取り付け | 31.7mm | 50.8mm接眼部 | |||
及びCマウント | 2インチスリーブ | ||||
重さ | 約530g | 約730g | |||
電源 | 12V、2A | ||||
画像出力形式 | オリジナル形式 FITS、BMP、JPEG | ||||
対応OS | Windows 10 / 8.1 / 8 / 7 / Windows Vista SP1以降 / Windows XP SP2以降 |
BNシリーズ寸法図
写真実例
BJ-55Lユーザ様撮影(6576×4384) ビクセンR200SS(コレクターPH使用)
M13 露出:クリアーフィルター 5分×3枚、 総露出15分 |
バラ星雲 露出:L画像クリアー フィルター使用5分×6枚、 RGB画像各5分×2枚 総露出60分(トリミング) |
BJ-53Cで撮影 | BJ-53Lで撮影 |