物質にはそれぞれ固有の屈折率を有しており、光が物質に入射すると光の進む方向が曲がることから屈折率と呼ばれております。空気中から水に光を入射させると空気と水の境界面で光が1つの方向に曲がりますが、結晶体などの物質に光を入射させると1つではなく2つの方向に曲がる物質があります。複数の屈折率を有しいることから複屈折率と呼ばれております。

屈折率は物質の密度と関連しており、真空中は1.000(空気中もほぼ1)で、水は1.333です。物質の密度が高くなれば屈折率も高くなります。また、物質の中を通る光の速度は屈折率に依存し空気中と水とでは光の進む伝搬速度が異なり、水中では約25%(1-(1/1.333))ほど遅く伝搬します。
水の屈折率は1つなので空気中から水に光を入射させた場合は曲がる方向は一つですが、複屈折率を有する物質に光を入射させた場合、2つの方向に分かれます。また、前述のとおり屈折率=光の伝搬速度ですので、2つに分かれた光は異なったスピードで伝搬していき光の位相にも差異が生じます。

複屈折率を有する物質(有名なのは方解石(ホウカイセキ)の結晶など)を通して文字を見ると文字が2重に見えたり、にじんで見えたりします。また、水晶球とガラス球がありどちら本物の水晶なのか?の簡易的な鑑定は、水晶は複屈折率を有する物質なので水晶を通して文字などをみればにじんでみえる球が本物の水晶だと区別できます。

複屈折率測定は、物質の内部情報、材料研究、品質管理、物質鑑定などで広く使わております。
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